労災申請サポートにより14級を獲得した事例

被害者40代会社員男性
部位手指(母指)
傷病名母指末節骨骨折、母指挫創
後遺障害等級14級
獲得金額
目次

ご相談内容

機械の刃をハンマーで叩いて調整している際に、誤ってハンマーで自身の母指を叩いてしまったという事故です。

労災申請の際、勤務先から「事故の発生した現場について、実際の現場と異なる場所で発生したことにして労災申請するので、口裏を合せてほしい」旨を言われたそうです。ご相談者は「会社から妙なことを言われたけれども、事実と異なる内容で労災の申請をしても大丈夫なのだろうか?」と不審に思い、当所へお問合せくださいました。
(注:事実と異なる内容での労災申請は、いわゆる「労災隠し」となる可能性があります。参考:厚生労働省 神奈川労働局ホームページ

まず、事故の状況などについて、会社の主張と事実が異なっていることを労基署へ伝える必要があることを説明しました。すると、労基署には既に説明済みであるとのことでした。
次に、痛みがかなり強いというお話でしたので、後遺障害の申請にはMRIの撮影が必要になることをお伝えしました。

ご相談の時点では、勤務先の過失を立証できるかが不明であり、障害補償給付が支給されるか否かも不明であったため、まずは労災申請サポートのご依頼を勧める旨を説明したところ、そのままご依頼となりました。

サポートの流れ

医師から症状固定と言われたとのお話があったため、ご契約後、医師から受け取った診断書に必要な記載があるかチェックしました。

たとえば、「診断書の記載が適切でない」「必要な検査をしていない」といった場合、後遺障害の立証が不十分なまま審査されてしまい、後遺障害等級が低くなる、または後遺障害そのものが認められない、という結果になってしまう可能性があります。そのため、記載内容の確認を行いました。その結果、必要な記載が欠けていたことが判明したため、ご依頼者を通じ、医師に追記いただきました。

その後、後遺障害の内容を説明するための書面を作成しました。後遺障害がある部位・症状と、後遺障害による仕事・日常生活への影響をご依頼者から聞き取り、詳細に説明する書面です。後遺障害の認定を申請するにあたり、診断書の他、後遺障害の内容や影響を説明する資料があることが望ましいためです。

また、労災では、後遺障害の認定をするにあたって、ご本人と労基署の職員等との面談が行われる場合があります。この面談は、ご本人から後遺障害の内容を聞き取ったり、ケガの様子を見たりするために行われます。本件でも、その面談が行われる予定でした。面談では、ご依頼者ご自身で適切に説明する必要がありますが、診断書同様、適切な説明ができないと後遺障害等級が低くなる、または後遺障害そのものが認められない、という結果になってしまう可能性があります。後遺障害の内容を説明する書面を事前に作成していれば、面談で伝え忘れる可能性を減らすことができます。

解決内容

障害補償給付を申請した結果、後遺障害等級14級が認定されました。内容としては、残存した後遺障害に見合った妥当な等級が認定されました。
後遺障害に加えて、立て替えた通院交通費の請求等のサポートを行いました。

所感(担当弁護士より)

本件の一番大きなポイントは、症状固定となる前にご相談いただけたことだと思います。

時折、等級の認定結果が出た後にお問合せいただくこともありますが、認定結果が出た後でそれを覆すことは、非常に難しいです。そのため、事前にご相談いただき、適切な内容で申請することが重要です。

本件では、後遺障害診断書の内容確認や、後遺障害を説明する書面の作成などをしました。このように、後遺障害申請時にしっかりとサポートできたことが、適切な認定に繋がったのではないかと考えます。
勤務中に事故に遭われた方で、「勤務先が労災の申請をしてくれない」「後遺障害の申請を考えている」という方は、なるべくお早めに専門家へご相談なさることをお勧めいたします。

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