学校事故 Q&A 2

【質問1】学校の授業中に発生した事故で、判例・裁判例にはどういうものがありますか?

一例として、教員の危険な指導や指導不足が原因で、生徒が危険な方法でプールに飛び込み、頭などをプールの底に打ち付け、頚髄損傷を負って身体麻痺などの後遺障害が残存した事件があります。この事件では、高額の損害賠償が認められました。

授業中のプール事故

ケガの中には、体育の教員の「誤った指導」や、児童・生徒には「難易度が高い運動」によるものがあり、プールの飛び込み事故はそのひとつです。

事故の概要

生徒Aさんは、プールの底に頭を打ち付け、負傷しました。

認められた損害賠償額

約1億3000万円 (横浜市立中学校プール事故訴訟:最判昭和62年2月6日判例時報1232号100頁)

認められた理由・解説

体育の教員は、2・3歩助走をつけて飛び込み台から飛び込む方法を指導しました。これは、プールの底に頭などを打ち付ける可能性が高い危険な方法です。

教員には、児童・生徒を危険から保護する義務があるのに、危険な指導をしたので、注意義務に違反しています。最高裁は、注意義務違反があったとして、学校側に約1億3000万円の損害賠償を命じました。

弁護士法人シーライト藤沢法律事務所では、体育など授業中の学校事故のご相談を承っております。証拠収集などは、早いほうがいいので、お早めに当事務所までご連絡ください。

【質問2】学校事故は、学校の敷地内で発生した事故に限られますか?

学校の管理下にあればよいので、敷地内での事故に限られません。一例として、校門周辺の公道で発生した死亡事故を解説します。

図工の授業中の死亡事故

図画工作(図工)の授業中に、学校の敷地外に出て、校舎を描いたり、学校周辺の風景などを描いた経験のある方も多いと思います。これは、お絵かき中に車にはねられて亡くなった学校事故(死亡事故)です。

事故の概要

教員は、児童に対して、車が行き交う校門前の公道でお絵描きすることを認めました。その結果、しゃがみ込んで描いていた児童が車にひかれ、死亡しました。

認められた損害賠償額

約7270万円(横浜地小田原支判平成29年9月15日判例時報2373号70頁)

認められた理由・解説

教員が危険な公道上でお絵描きをすることを認めれば、お絵描きに集中し、しゃがみ込んで描く児童が出現し、車にはねられる危険性があります。
裁判所は、教員の対応について責任があると認め、学校側に約7270万円の損害賠償を命じました。

弁護士法人シーライト藤沢法律事務所では、藤沢を中心に全国の学校事故のご相談を承っております。お早めに当事務所までご連絡ください。

【質問3】体罰があるとテレビで大ニュースになりますね。先生の体罰が原因で、損害賠償が認められた事件はありますか?

あります。部活の顧問教員が、部員の生徒に対して、継続的に暴行や威迫※を行ない、生徒が自殺した事件では、高額の損害賠償が認められました。

事故の概要

高校のバスケットボール部の顧問であった教員が、同部のキャプテンに対し、継続的に暴行・威迫※を伴う指導をしました。

※威迫というのは、恐怖を感じる態度や雰囲気をいいます。なお、脅迫が「殺してやる」など明らかな脅し文句があるのに対して、威迫にはそれがない点で異なります。

認められた損害賠償額

約7500万円(桜宮高校バスケット部体罰自殺事件:東京地判平成28年2月24日判例時報2320号71頁)

認められた理由・解説

顧問の教員は、指導の一環として、暴行や威迫等の言動を行ないました。暴行・威迫は、学校教育法第11条が禁止する体罰にあたり、損害賠償の対象である不法行為に該当します。

裁判所は、体罰と自殺の因果関係を肯定し、自殺した理由の7割が顧問の教員によるものとして、学校側に約7500万円の損害賠償を命じました。

体罰などが原因でお子様が亡くなったご遺族の方は、お早めに弁護士法人シーライト藤沢法律事務所までご相談ください。

【質問4】生徒同士のいじめが原因で、自殺した子どものニュースを聞くことがあります。いじめっ子を注意・指導しなかった学校側の責任を認めた事件はありますか?

あります。教員は加害生徒(いじめっ子)のいじめを注意等指導しましたが、指導の効果がなく被害生徒(いじめられっ子)が自殺した事件では、学校側に損害賠償責任が認められました。

事故の概要

津久井町(現在の相模原市)の中学校で生徒同士のいじめがあり、それが原因で被害生徒が自殺しました。

認められた損害賠償額

約2155万円(津久井いじめ自殺事件:東京高判平成14年1月31日判例時報1773号3頁) 

認められた理由・解説

教員には、児童や生徒の安全に配慮する義務があります。本件の教員は加害生徒に注意等をしていますが、指導をしてもいじめが続くことがわかった段階で、加害生徒・被害生徒の親との連絡を強化するなど、学校全体で組織的にいじめを防止する「継続的指導監督措置」を講ずるべきでしたが、それをしませんでした。

事件が発生した1994年当時、テレビなどで生徒間のいじめが原因で、被害生徒の自殺に繋がる報道がされていました。裁判所はこの点を指摘し、教員には「被害生徒がいじめの被害で命を落とすかもしれない」という予見可能性があったと認め、学校側に2155万円の損害賠償を命じました。

いじめなどが原因でお子様が亡くなったご遺族の方は、お早めに弁護士法人シーライト藤沢法律事務所までご相談ください。

【質問5】学校事故は、学校の管理下で発生した事故をいうそうですが、放課後や部活動中の事故も、学校事故にあたりますか?

放課後や部活動中に発生した事故も、学校事故になり得ます。ここでは、山岳部の遭難事故で学校側の損害賠償責任が認められた事件を紹介します。

事故の概要

木曽駒ヶ岳で行なわれた都立高等専門学校の山岳部春山合宿で、教員が山小屋に留まらず下山を強行したため、山岳部員の生徒が雪崩に巻き込まれ、死亡しました。

認められた損害賠償額

約3034万円(都立高専木曽駒ヶ岳遭難事件:最判平成2年3月23日判タ725号58頁)

認められた理由・解説

教員は、教育活動による事故の発生を未然に阻止すべき注意義務があります。教員は悪天候の時は山小屋に留まるべきなのに、下山を強行したことの是非が争われました。この点、裁判所は、教員に過失があると認め、生徒が雪崩で死亡したのは、教員の不注意が原因だと結論付けました。

部活動などの課外活動中に、教員の誤った指導が原因で、ケガをしたり、後遺障害が残ったり、お子様が亡くなったご遺族の方は、お早めに弁護士法人シーライト藤沢法律事務所までご連絡下さい。

【質問6】部活動中の学校事故で、高額の損害賠償金が認められた裁判例はありますか?

柔道部の練習中の事故で、四肢不全麻痺、高次脳機能障害などの重篤な後遺障害を負った事故では、学校側に約1億3690万円の損害賠償責任が認められました。

事故の概要

柔道部の生徒が練習試合中に後頭部を強打し、四肢不全麻痺、高次脳機能障害などの後遺障害を負いました。

認められた損害賠償額

約1億3690万円(札幌地判平成24年3月9日判例時報2148号101頁)

認められた理由・解説

教員には、生徒の安全に配慮する安全配慮義務があります。生徒は事故前にも練習で頭部を負傷しており、生徒の体調や技能を考えると、練習試合に参加させるべきではなかったのに、教員は、出場させました。裁判所は、教員の過失を認め、安全配慮義務に違反したとして、学校側に損害賠償を命じました。

柔道、アメフト、水泳などの部活動中に、教員の誤った指導が原因で、ケガをしたり、後遺障害が残ったり、お子様が亡くなった遺族の方は、お早めに弁護士法人シーライト藤沢法律事務所までご連絡ください。

【質問7】部活の自主練習中に発生した事故でも学校事故になりますか?

はい。部活動にありがちな教員の指導によらない自主練習も、教員の過失が認められ、損害賠償が認められた事例があります。

事故の概要

水泳部の居残り自主練習中に、プールの飛び込み台から逆跳び込みをして、プールの底に頭を強打し、重篤な後遺障害が残りました。

認められた損害賠償額

9680万円(東京地判平成16年1月13日判タ1164号131頁)

認められた理由・解説

水泳部の顧問教員には、居残り自主練習に関しても、事故の危険性や基本動作の留意事項につき、注意を促し、立会いのない逆飛び練習を禁止するなど事故防止に努めるなど安全配慮義務があります。

裁判所は、安全配慮義務を怠ったとして、学校側に損害賠償を命じました。
部活動中に、ケガをして後遺障害が残った方、お子様が亡くなったご遺族の方は、お早めに弁護士法人シーライト藤沢法律事務所までご連絡ください。

【質問8】震災の時に津波に逃げ遅れたりして、子どもが亡くなった場合も学校に対して、損害賠償請求ができますか?

東日本大震災では、津波に逃げ遅れて亡くなった小学校の児童の遺族らが、学校側は安全確保義務に違反したとして、損害賠償を請求した事例があります。

事故の概要

大地震が発生したので、教員は児童の下校を中断させ、校庭に避難させました。その後、教員は、津波来襲を予見し、児童を高台へ避難誘導しました。しかし、一部の児童が津波にのみ込まれて死亡しました。

認められた損害賠償額

亡くなった児童一人につき約6200万円(大川小学校児童津波被災事件:最判令和1年10月10日、仙台高判平30年4月26日判例時報2387号31頁、仙台地判平成28年10月26日判例時報2387号81頁)

認められた理由・解説

小学校の校長などは、学校保健安全法第29条に基づき、津波避難マニュアルなどを作成して、避難場所・避難経路・避難方法などを決める安全確保義務があります。最高裁は、これに違反したとし、亡くなった児童一人につき約6200万円の損害賠償を学校側に命じました。

学校の管理下で被災し、お子様が亡くなったご遺族の方は、お早めに弁護士法人シーライト藤沢法律事務所までご連絡ください。

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