労働災害申請手続

1.労災保険について

労働災害に遭ってしまった場合、治療のために休まなければならなくなり、その間は給料が入ってこなくなります。その上、治療中は治療費もかかってしまいます。このような二重の負担を強いられたままでは、労働者は生活もできなくなるばかりか満足な治療を受けることもできません。労働災害は、年間で何十万件も発生しております。この状態を放置すると、国としては、貴重な労働力が減ってしまい、活発な産業活動がままならなくなります。十分な治療ができないと労働者の生活や家庭は破壊されてしまいます。また、労働災害の発生に会社側にも責任がある場合、会社が労働者に対して賠償を行わなければならなくなりますが、その総額は、膨大な金額になる場合もあり、そのすべてを会社が負担しなければならないとすると、倒産してしまう可能性もあります。 そこで、国は、労働災害に遭ってしまった労働者に保険給付を行い、労働者の生活維持・早期社会復帰を促し、産業活動の担い手として活躍してもらえるようにと、労災保険制度を作ったのです。 具体的には、労災保険とは、労働者災害補償保険法(労災保険法)に基づく保険制度で、業務災害または通勤災害によって、労働者が怪我・負傷や疾病、障害を負った場合に給付される保険です。災害を受けた労働者またはその遺族に対して、労災の障害等級に応じて、決められた基準で金額が支給されます。 労災保険は労働者の生活を支え、また、会社の責任負担額を減じるための保険ですので、被害者にとっても事業主にとっても、重要な保険制度です。通常“保険”というと、その加入者は被保険者のことをいいますが、労災保険の場合には、事業主がその加入者であり、労働者は加入者ではありません。そのため、以下のような特徴があります。

・労災保険の保険料は事業主が負担し、労働者の負担はない

・労災保険給付は、広い範囲(治療、休業、障害、介護、遺族など)にわたって行われる

・健康保険よりも給付額が高額で支給期間も長く、十分な治療を受けることが期待できる

・労災保険の対象者は原則として全労働者である

 

2.労災申請はご本人ないしその遺族が行う

労働災害に遭われ、労災保険から保険給付を受けるには、所轄の労働基準監督署長に対し、保険給付の申請をする必要があります。労働災害の申請は、被災者本人または遺族が行う必要がありますが、勤務先会社の総務部が手続を代行して、または社会保険労務士に代行を依頼して、労働基準監督署に申請がなされることも多いです。 支給請求書には事業主証明欄があり、原則として、被災事実や賃金関係の証明印を得ておく必要があります。 請求を受けた労働基準監督署長は、必要な調査を実施して労災認定をした上で給付を行います。

 

3.期間制限に注意

労災保険給付の請求は、2年以内に被災者の所属事業所の所在地を管轄する労働基準監督署長に対して行わなければなりません。 障害給付と遺族給付については5年以内に行う必要があるのでご注意ください。

 

4.手続の方法

申請にあたって必要となる手続や書類は、請求する保険給付の種類によって異なりますが、大まかには次のとおりです。

(1)療養(補償)給付を受けたい場合

 ①「療養の給付」の請求について  労災病院または指定病院等で治療を受けるために、業務災害の場合は「療養補償給付たる療養の給付請求書」(様式第5号)に必要事項を記載して、療養を受けようとする病院等を経由して、労働基準監督署長に提出します。通勤災害の場合は様式16号の3を提出します。  ②「療養の費用」の請求について  労災病院および指定病院以外の病院等において療養を行った場合は、その費用の給付を受けることができます。業務災害の場合は「療養補償給付たる療養の費用請求書」(様式第7号)に必要事項を記入し、労働基準監督署長に提出します。通勤災害の場合は様式16号の5を提出します。いずれの様式も費目の種類に応じ(1)から(3)まで様式があります。

(2)休業(補償)給付を受けたい場合

 休業して第4日目から受け取ることができるようになります。業務災害の場合は「休業補償給付請求書・休業特別支給金支給申請書」(様式第8号)に必要事項を記入し、事業主および治療担当医師の証明を受けた上で労働基準監督署長に提出します。通勤災害の場合は様式16号の6を提出します。  休業した日数分を最後に一括して請求するのか、または1か月ごとなどに分割請求するかについては被災労働者が自由に選択できます。休業が長期間になる場合は1カ月ごとに請求することが多いかと思います。  療養開始後1年6カ月を経過しても、後に解説する傷病(補償)年金の支給要件を満たしていない場合は、毎年1月分の休業(補償)給付を請求する際に、「傷病の状態等に関する報告書」(様式第16号の11)を併せて提出する必要があります。

(3)障害(補償)給付を受けたい場合

 業務災害の場合は、「障害補償給付支給請求書・障害特別支給金支給申請書・障害特別年金支給申請書・障害特別一時金支給申請書」(様式第10号)に必要事項を記載し、労働基準監督署長に提出します。通勤災害の場合は様式16号の7を提出します。  請求書には、①負傷または疾病が治ったこと・治った日・治った時の障害の状態に関する医師の・歯科医師の診断書、②障害の状態を証明し得るレントゲン写真等の資料を、添付する必要があります。  障害厚生年金・障害基礎年金等の支給を受けている場合は、その支給額を証明できる書類を添付する必要があります。

(4) 介護(補償)給付を受けたい場合

 ①手続書類・給付を受けられるケースについて  「介護補償給付申請書」(様式第16号の2の2)に、必要事項を記入し、医師の診断書や介護に要した費用の証明書を添付して、労働基準監督署長に提出します。  ただし、後遺障害等級1級が認定された方、または2級が認定された方のうち精神系、胸腹部臓器に障害があり年金をもらっている方でなければ支給されません。なお、常時介護を要するか、随時介護を要するか、介護が必要な程度によって支給額が異なります。  ②事業主の意見申し出制度について  事業主は、労働災害により被災した労働者または遺族が、負傷または発病の年月日、災害の原因及び発生状況等、保険給付のために必要な証明を請求された時は、迅速に対応しなければなりません。事業主が必要証明を行わない場合は、労働者は、事業主が証明しないことを労働署に説明し、保険給付を受けることができます。事業主が労災保険給付の決定には関与することはありません。  しかし労災保険料を支払っている立場から、労働災害の成否及び保険給付の有無について無関心ではいられません。そのため事業主は、労働災害における保険給付の請求に対して意見があるとき、労働基準監督署長に意見申し出をすることができるようになりました。

(5)遺族(補償)給付を受けたい場合

①遺族補償年金

業務災害の場合は、「遺族補償年金支給請求書」(様式第12号)に必要事項を記入し、労働基準監督署長に提出します。通勤災害の場合は様式16号の8を提出します。 労働者の死亡事実および死亡日、労働者との身分関係を証明することができる書類を添付する必要があります。具体的には、死亡診断書・死体検案書または検視調書、戸籍謄本、死亡労働者の収入によって生計を維持していたことを証明できる書類等がこれにあたります。

②遺族補償一時金

「遺族補償一時金支給請求書」(様式第15号)に必要事項を記入し、必要な証明書類を添付して労働基準監督署長に提出します。   遺族補償一時金は、支給が決定されればすぐに支給されます。

(6)葬祭料(葬祭給付)を受けたい場合

「葬祭料請求書」(様式第16号)に必要事項を記入し、事業主の証明を得た上で労働基準監督署長に提出します。

(7) 傷病(補償)給付について

以上のほか、一定の要件を満たした場合、被災労働者側からの請求ではなく労基署長の自発的な判断(職権)によって傷病(補償)給付という保険金が支給されることがあります。要件は以下のとおりであり、極めて重篤で治療期間が超長期に及ぶ場合が対象です。  

・療養開始後1年6カ月を経過しても傷病が治癒(症状固定)していないこと  

・その傷病の障害の程度が傷病(補償)等級の1級から3級に該当すること

 

5.労災申請にあたってのアドバイス

被災者ご本人またはご遺族にとって、労災申請手続は初めてのことである場合が多く、さらに自身で直接申請をしないとならないため、手続に不安を覚えられる方も多くいらっしゃいます。 そこで、複雑な労働災害申請を行う際には、ぜひ弁護士にご相談ください。弊所では、被災者・遺族の労働災害申請におけるサポートのほか、提出必要書類の添削等も行っております。労災事故はその後の生活を大きく左右するものですので、一人で悩まず、申請手続にお困りの方はまずは弁護士にご相談ください。

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