労働災害と後遺障害・等級認定
労働災害と後遺障害・等級認定
業務または通勤の際に発生した傷病について治療を受けたものの症状が残ってしまった(後遺障害)という状況において労災保険から後遺障害等級が認定されれば、認定された後遺障害等級に応じ,障害(補償)給付(業務災害の場合)または障害給付(通勤災害の場合)が支給されます。
後遺障害等級は、労働者災害補償保険法施行規則 別表第一 障害等級表において第1級~第14級が定められており、等級により給付の内容が異なります。1級から7級については障害(補償)年金が、8級から14級については障害(補償)一時金が支給されます。
各後遺障害別の詳細は以下の表のとおりです。
後遺障害等級と等級ごとの主要な障害(補償)給付の内容一覧
障害等級 |
障害給付 |
特別支給金 |
その他の給付 |
身体障害 |
第一級 |
給付基礎日額×313日分を毎年支給 |
342万円 |
賞与の逸失に対して 障害特別年金を支給(つまり毎年支給)支給日額は障害給付と同じ日数分 |
一 |
両眼が失明したもの |
二 |
そしやく及び言語の機能を廃したもの |
三 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの |
四 |
胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの |
五 |
削除 |
六 |
両上肢をひじ関節以上で失つたもの |
七 |
両上肢の用を全廃したもの |
八 |
両下肢をひざ関節以上で失つたもの |
九 |
両下肢の用を全廃したもの |
|
第二級 |
給付基礎日額×277日分を毎年支給 |
320万円 |
同上 |
一 |
一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの |
二 |
両眼の視力が〇・〇二以下になつたもの |
二の二 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの |
二の三 |
胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの |
三 |
両上肢を手関節以上で失つたもの |
四 |
両下肢を足関節以上で失つたもの |
|
第三級 |
給付基礎日額×245日分を毎年支給 |
300万円 |
同上 |
一 |
一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの |
二 |
そしやく又は言語の機能を廃したもの |
三 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
四 |
胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
五 |
両手の手指の全部を失つたもの |
|
第四級 |
給付基礎日額×213日分を毎年支給 |
264万円 |
同上 |
一 |
両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの |
二 |
そしやく及び言語の機能に著しい障害を残すもの |
三 |
両耳の聴力を全く失つたもの |
四 |
一上肢をひじ関節以上で失つたもの |
五 |
一下肢をひざ関節以上で失つたもの |
六 |
両手の手指の全部の用を廃したもの |
七 |
両足をリスフラン関節以上で失つたもの |
|
第五級 |
給付基礎日額×184日分を毎年支給 |
225万円 |
同上 |
一 |
一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの |
一の二 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
一の三 |
胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
二 |
一上肢を手関節以上で失つたもの |
三 |
一下肢を足関節以上で失つたもの |
四 |
一上肢の用を全廃したもの |
五 |
一下肢の用を全廃したもの |
六 |
両足の足指の全部を失つたもの |
|
第六級 |
給付基礎日額×156日分を毎年支給 |
192万円 |
同上 |
一 |
両眼の視力が〇・一以下になつたもの |
二 |
そしやく又は言語の機能に著しい障害を残すもの |
三 |
両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの |
三の二 |
一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの |
四 |
せき柱に著しい変形又は運動障害を残すもの |
五 |
一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの |
六 |
一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの |
七 |
一手の五の手指又は母指を含み四の手指を失つたもの |
|
第七級 |
給付基礎日額×131日分を毎年支給 |
159万円 |
同上 |
一 |
一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの |
二 |
両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの |
二の二 |
一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの |
三 |
神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
四 |
削除 |
五 |
胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
六 |
一手の母指を含み三の手指又は母指以外の四の手指を失つたもの |
七 |
一手の五の手指又は母指を含み四の手指の用を廃したもの |
八 |
一足をリスフラン関節以上で失つたもの |
九 |
一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの |
一〇 |
一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの |
一一 |
両足の足指の全部の用を廃したもの |
一二 |
外貌に著しい醜状を残すもの |
一三 |
両側のこう丸を失つたもの |
|
第八級 |
給付基礎日額× 503日分を認定時に1回だけ支給 |
65万円 |
賞与の逸失に対して障害特別一時金を支給(つまり認定時一回だけ支給)基礎算定日額は障害給付と同じ日数分 |
一 |
一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの |
二 |
せき柱に運動障害を残すもの |
三 |
一手の母指を含み二の手指又は母指以外の三の手指を失つたもの |
四 |
一手の母指を含み三の手指又は母指以外の四の手指の用を廃したもの |
五 |
一下肢を五センチメートル以上短縮したもの |
六 |
一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの |
七 |
一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの |
八 |
一上肢に偽関節を残すもの |
九 |
一下肢に偽関節を残すもの |
一〇 |
一足の足指の全部を失つたもの |
|
第九級 |
給付基礎日額× 391日分を認定時に1回だけ支給 |
50万円 |
同上 |
一 |
両眼の視力が〇・六以下になつたもの |
二 |
一眼の視力が〇・〇六以下になつたもの |
三 |
両眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの |
四 |
両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの |
五 |
鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの |
六 |
そしやく及び言語の機能に障害を残すもの |
六の二 |
両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの |
六の三 |
一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの |
七 |
一耳の聴力を全く失つたもの |
七の二 |
神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの |
七の三 |
胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの |
八 |
一手の母指又は母指以外の二の手指を失つたもの |
九 |
一手の母指を含み二の手指又は母指以外の三の手指の用を廃したもの |
一〇 |
一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの |
一一 |
一足の足指の全部の用を廃したもの |
一一の二 |
外貌に相当程度の醜状を残すもの |
一二 |
生殖器に著しい障害を残すもの |
|
第一〇級 |
給付基礎日額×302日分を認定時に1回だけ支給 |
39万円 |
同上 |
一 |
一眼の視力が〇・一以下になつたもの |
一の二 |
正面視で複視を残すもの |
二 |
そしやく又は言語の機能に障害を残すもの |
三 |
十四歯以上に対し歯科補てつを加えたもの |
三の二 |
両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの |
四 |
一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの |
五 |
削除 |
六 |
一手の母指又は母指以外の二の手指の用を廃したもの |
七 |
一下肢を三センチメートル以上短縮したもの |
八 |
一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの |
九 |
一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの |
一〇 |
一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの |
|
第一一級 |
給付基礎日額× 223日分を認定時に1回だけ支給 |
29万円 |
同上 |
一 |
両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
二 |
両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
三 |
一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの |
三の二 |
十歯以上に対し歯科補てつを加えたもの |
三の三 |
両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの |
四 |
一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの |
五 |
せき柱に変形を残すもの |
六 |
一手の示指、中指又は環指を失つたもの |
七 |
削除 |
八 |
一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの |
九 |
胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの |
|
第一二級 |
給付基礎日額× 156日分を認定時に1回だけ支給 |
20万円 |
同上 |
一 |
一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
二 |
一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
三 |
七歯以上に対し歯科補てつを加えたもの |
四 |
一耳の耳かくの大部分を欠損したもの |
五 |
鎖骨、胸骨、ろく骨、肩こう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの |
六 |
一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの |
七 |
一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの |
八 |
長管骨に変形を残すもの |
八の二 |
一手の小指を失つたもの |
九 |
一手の示指、中指又は環指の用を廃したもの |
一〇 |
一足の第二の足指を失つたもの、第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの |
一一 |
一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの |
一二 |
局部にがん固な神経症状を残すもの |
一三 |
削除 |
一四 |
外貌に醜状を残すもの |
|
第一三級 |
給付基礎日額× 101日分を認定時に1回だけ支給 |
14万円 |
同上 |
一 |
一眼の視力が〇・六以下になつたもの |
二 |
一眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの |
二の二 |
正面視以外で複視を残すもの |
三 |
両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの |
三の二 |
五歯以上に対し歯科補てつを加えたもの |
三の三 |
胸腹部臓器の機能に障害を残すもの |
四 |
一手の小指の用を廃したもの |
五 |
一手の母指の指骨の一部を失つたもの |
六 |
削除 |
七 |
削除 |
八 |
一下肢を一センチメートル以上短縮したもの |
九 |
一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの |
一〇 |
一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの |
|
第一四級 |
給付基礎日額× 56日分を認定時に1回だけ支給 |
8万円 |
同上 |
一 |
一眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの |
二 |
三歯以上に対し歯科補てつを加えたもの |
二の二 |
一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの |
三 |
上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの |
四 |
下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの |
五 |
削除 |
六 |
一手の母指以外の手指の指骨の一部を失つたもの |
七 |
一手の母指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの |
八 |
一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの |
九 |
局部に神経症状を残すもの |
一〇 |
削除 |
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一,視力の測定は、万国式視力表による。屈折異常のあるものについてはきよう正視力について測定する。
二,手指を失つたものとは、母指は指節間関節、その他の手指は近位指節間関節以上を失つたものをいう。
三,手指の用を廃したものとは、手指の末節骨の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは近位指節間関節(母指にあつては指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
四,足指を失つたものとは、その全部を失つたものをいう。
五,足指の用を廃したものとは、第一の足指は末節骨の半分以上、その他の足指は遠位指節間関節以上を失つたもの又は中足指節関節若しくは近位指節間関節(第一の足指にあつては指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
新型コロナウィルスに対する弊所の対応について


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依頼前 |
依頼後 |
プレス機に挟まれ
指を複数切断 |
支払わず |
 1500万円
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フォークリフトに
足を弾かれて骨折 |
支払わず |
 2000万円
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落下事故で死亡 |
保険金のみ |
 2700万円
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落ちてきた建材が
直撃して骨折 |
保険金のみ |
 2700万円
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過労ドライバーが脳出血を発症し、上下肢機能全廃 |
保険金のみ |
 4000万円
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過労医師が内因性心臓死により死亡 |
保険金のみ |
 1億6000万円
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