事故類型:その他
相談内容
ご相談者は、勤務先の敷地内にいたところを同僚が運転する自動車に足を轢かれ、骨折する事故に遭い、足関節の可動域が制限されてしまいました。症状固定が近くなり、今後の流れについてご相談されたいとのことで、連絡をいただきました。
弁護士アドバイス
まず可動域制限について、医師に角度計を使って可動域を測定もらうことをアドバイスしました。可動域制限が残存した場合は、可動域の数値を正確に測定する必要があります。
医師によっては、角度計ではなく目視で可動域を測定する方もいます。目視による測定の場合、可動域の数値が不正確になってしまう可能性があるので、角度計による測定が必要になります。
次に、弁護士費用特約の確認をアドバイスしました。
本件は、勤務中にお怪我をされた労災事故であると同時に、自動車に轢かれた交通事故でもあります。弁護士費用特約の約款によりますが、交通事故の場合、被害者の方やご家族が弁護士費用特約に加入していれば、弁護士費用を保険会社に支払っていただくことが可能です。弁護士費用特約が利用できれば、ご相談者の負担額を大きく減らして、依頼を受けることが可能になります。
ただし、交通事故であると同時に労災事故でもある本件のようなケースでは、約款上、弁護士費用特約が使えないこともあります。
そこでご相談者に対し、ご相談者やご家族の自動車保険・火災保険・家財保険・生命保険等を確認し、弁護士費用特約に加入しているか調査することをアドバイスしました。
本件では、ご相談者より弁護士費用特約が利用できると連絡をいただき、ご依頼いただきました。
弊所では、事故に遭われた直後から、必要な治療や検査についての相談をお受けしております。
事故後の早い段階から証拠を集めておくことで、後遺障害等級の認定が変わる可能性があります。
事故に遭われたときは、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。
弊所では、労災事故の被害に遭った方の初回相談の自己負担はありません。ぜひ、お気軽にご相談ください。
事故類型:転倒
相談内容
ご相談者の勤務する事業所では、1ヶ月ほどの期間、改装工事をする予定になっていました。
被災されたご相談者は、事故当日の数日前から事業所内の休憩室を執務スペースとして業務をしていましたが、会社から「工事が始まるまでに元の執務スペースの荷物を片付けるように」と言われていたため、工事の前日に自分の荷物を移動させる作業をしました。
元の執務スペースは、工事のためにOAブロックが取り外されて、その上にオフィスカーペットが敷かれている部分があり、いわば「落とし穴」のようになっているところがありました。ご相談者は、その「落とし穴」部分に足を取られて転倒し、右足を骨折する傷害を負ってしまいました。
ご相談者の足のケガは、手術をするくらいの大きなもので後遺障害が残る可能性があったことから、「後遺障害が残る場合は、会社に損害賠償請求をしたいので、今のうちからできることは何があるか知りたい」ということでご相談を受けました。
弁護士アドバイス
一定以上の規模の労働災害が発生した場合、会社は管轄の労働基準監督署に対し、「労働者死傷病報告」という労災の概要を説明した書面を提出しなければなりません。
この書面は、「労災直後に会社が当該労災をどのようなものと認識していたか」ということを示す重要な証拠になります。
参考URL:厚労省「労働者死傷病報告(休業4日以上)様式」
また重大事故になると、労基署が事故の原因などを詳しく調査することがあります。この調査結果に基づき「災害調査復命書」という調査報告書が作成されます。災害調査復命書には、事故現場の写真、労基署が事故関係者から聴き取った内容、労基署が特定または推測する事故の原因などが記載されます。これは、会社に安全配慮義務違反があったことを立証するための重要な証拠となります。
そこで、ご相談者には、保有個人情報開示請求を行って、事故の詳細や原因が判明する証拠を確保することをアドバイスしました。
なお、「自分一人で保有個人情報開示を行うのは難しい!」「開示した資料に基づき損害賠償請求の可否・金額を知りたい!」という方には、「労働災害情報の開示請求サポート及び損害賠償請求の見通し簡易調査報告」のサービスをご用意しております。
2つのアドバイスをさせていただきました。
人の記憶は、時間と共に薄れていったり変容するものですが、本件事故では、同僚の方がまさに転倒するところを目撃していて、その様子を図に書いてもらっていました。さらに目撃した内容を「固定」させるため、作成日・署名・押印をしてもらうようにお話しました。
同僚の方の連絡先を交換して、事故の状況などが争いになった時に証人として協力してもらえる体制を整えておくようにお伝えしました。
ご相談者は、相談にいらした時は治療中でしたが、数ヵ月後には症状固定することが見込まれました。症状固定時に可動域制限や痛みなどの後遺障害が残存している場合には、障害補償給付を申請して、適切な後遺障害等級を認定してもらう必要があります。
後遺障害診断書に的確な内容が記載されていないと、後遺障害が残存したのに認めてもらえない(適切な障害給付が給付されない)ことがあります。また、後遺障害等級が何級になるかで、会社に損害賠償請求可能な金額が数百万円単位で大きく異なります。
そのため、障害給付の申請前には、継続的に後遺障害に認定実務に詳しい弁護士が確認することが望ましいといえます。
そこで、遅くとも症状固定になる2~3ヵ月前には、労働災害被害者の方専用の継続相談プランをご利用することを提案しました。
事故類型:墜落・転落
相談内容
ご相談者は、上司の指示によりエアコン室外機の修理のため3階建てのビル屋上に登り、転落してしまいました。高所から転落したため、全身の骨折のほか内臓が破裂する等の重傷を負いました。
障害給付の申請を行うにあたり、手続や必要な対応を知りたいのとのことで連絡をいただきました。
弁護士アドバイス
症状固定になる前に、MRI検査を受けることをアドバイスしました。障害給付を行うにあたり、後遺障害が残存したことを立証する証拠が必要になります。具体的には、症状に合わせた各種検査が必要になります。
ご相談者の場合、事故から間もないころにMRI検査を受けて以降、受けていないとのことでした。MRI検査は、事故から間もないころに受けることも重要ですが、症状固定が近い頃に再度受けることも重要です。
治療経過及び治らなかった(=後遺障害が残存した)ことを立証するには、事故直後・症状固定時でどのような変化があるかを比較できることが望ましいためです。
次に後遺障害の診断書についてアドバイスしました。
障害給付の申請では、残存した後遺障害を的確に診断書に記載する必要があります。診断書に的確な内容を記載していないと、後遺障害が残存したのに認めてもらえない(適切な障害給付が給付されない)こともあります。
賠償分野に詳しい専門家でなければ、必要な記載の有無を判断することが難しいため、障害給付の申請前に診断書を弁護士が確認することが望ましいです。
ご相談者の場合、内臓破裂のほか、めまいの症状があったため、医師に対し後遺障害の診断書に記載いただくことを依頼するようアドバイスしました。
事故状況に関する資料を収集するため、保有個人情報の開示をアドバイスしました。
保有個人情報の開示とは、行政機関個人情報保護法に基づき、行政機関が保有する個人の情報を本人に対して開示する制度です。
労災の場合、労働局に対し保有個人情報開示請求し、労災事故に関する資料の開示を請求することができます。
この制度を利用することで、災害調査復命書や保険給付実地調査復命書など、事故状況などの資料を収集できることがあります。
※保有個人情報開示請求制度についての詳しいご説明はこちら
労災事故では、使用者などに対し安全配慮義務違反に基づく損害賠償を請求します。請求にあたり、安全配慮義務違反を具体的に立証する資料が必要になります。
ところが、労災事故ではどのような事故が起きたのかがはっきりしないケースも多いです。事故の詳細がはっきりしなければ、安全配慮義務違反を立証することが難しくなります。そのため、保有個人情報の開示により資料を収集することが重要になります。
弊所では、事故に遭われた直後から、必要な治療や検査・資料収集について、ご相談をお受けしております。
事故から長期間が経過してしまうと、必要になる証拠が散逸してしまうこともあります。そのため、事故に遭われたら、早めに弁護士に相談されることをお勧めいたします。
弊所では、労災事故の被害者の方からの初回相談は、お客様の自己負担はありません。
ぜひ、お気軽にご相談ください。
事故類型:機械等の巻き込まれ・挟まれ
相談内容
ご相談者がパワーショベルを操縦していてエンジンを付けたまま降りようとした際に、キャタピラに足を巻き込まれてしまった事故でした。
ご相談者は、キャタピラに足を巻き込まれそうになったときにパワーショベルについている手すりにつかまり、巻き込まれるのを避けようとしました。しかし、パワーショベルのペンキ塗り替えのために手すりが外されていたので、キャタピラに巻き込まれることを避けることができず、事故が発生してしまいました。
症状固定になり、医師に後遺障害の診断書を作成いただいた段階で、勤務先への示談交渉についてご相談したいとのことで、ご連絡いただきました。
弁護士アドバイス
まず、事故が発生した状況が分かる資料を収集する必要があるとご説明しました。具体的には、可能であれば下記の資料を確保・コピーすることが望ましいとアドバイスしました。
・事故現場を撮影していた防犯カメラ映像
・パワーショベルの写真撮影
・パワーショベルの機械名が分かる資料(譲渡証明書など)
労災事故では、使用者などに対し、安全配慮義務違反に基づく損害賠償を請求します。請求にあたり、安全配慮義務違反を具体的に立証する資料が必要になります。
ところが、労災事故ではどのような事故が起きたのかがはっきりしないケースも多いです。事故の詳細がはっきりしなければ、安全配慮義務違反を立証することが難しくなります。そのため、事故状況の詳細が分かる資料を早期に収集する必要があります。可能であれば、なるべく事故発生直後にご相談いただくことが望ましいです。事故から時間が経過するほど、資料の確保が難しくなるためです。
次に後遺障害の診断書における望ましい記載をご説明しました。ご相談者のケースでは、後遺障害として可動域制限のみが記述されていて、痛みに関する記述がない診断書でした。そこで、痛みに関する記述を医師に追記いただくことをアドバイスしました。
労災の障害給付の申請では、残存した後遺障害を的確に診断書に記載する必要があります。診断書に的確な内容が記載されていないと、後遺障害が残存したのに認めてもらえない(適切な障害給付が給付されない)こともあります。
そのため、弁護士が障害給付の申請前に診断書を確認することが望ましいです。賠償分野に詳しい専門家でなければ、必要な記載の有無を判断することが難しいためです。
弊所では、事故に遭われた直後から必要な治療や検査についてのご相談をお受けしています。事故後の早い段階から証拠を集めておくことで、後遺障害等級の認定が変わる可能性があります。
労災事故の被害者の方からの初回相談は、お客様の自己負担はありません。ぜひ、お気軽にご相談ください。
事故類型:墜落・転落
相談内容
被災者は、派遣元会社と警備員としての労働契約をしていた。被災者は、派遣先会社が受注したある工事現場の警備員として、派遣元会社から当該工事現場に派遣された。 派遣先の工事現場の簡易トイレは、約2mの擁壁の端に設置されていた。被災者が、簡易トイレで用便し、工事現場に戻ろうとしたところ、何らかの原因により約2mの擁壁から墜落し、頚髄損傷などにより死亡した。簡易トイレ設置場所の擁壁には、普段は、墜落などを防止する仮フェンスが設置されていたが、事故当時は、工事の都合上、仮フェンスが取り外されていた。 本件事故の原因は、派遣先会社による擁壁からの墜落防止措置を怠ったことによるものであるから、派遣先会社に損害賠償請求を行いたい。
被災者のご遺族から、以上のようなご相談をお受けしました。
弁護士アドバイス
訴訟においても、示談交渉においても、相手方に損害賠償請求を行うためには、確実な証拠に基づいて行うことが必要となります。証拠がなければ、訴訟では敗訴してしまうし、示談交渉では相手方を説得することができないからです。
そのため、まずは、事故の状況等を書面で記載した証拠を確保することが第一と考え、労働基準監督署の保有する労災資料を保有個人情報開示請求することをアドバイス致しました(リンク貼る:保有個人情報開示記事)。その開示資料を見ると、確かに、ご遺族が主張するような事故態様であり、派遣先会社が擁壁からの墜落防止措置を怠ったことが明らかでした。
そこで、弊所は、ご遺族から派遣先会社への損害賠償請求の示談交渉のご依頼をお受けいたしました。
上記開示資料などを元に、派遣先会社に擁壁からの墜落防止措置を怠った安全配慮義務違反があることなどを主張しました。しかし、派遣先会社は、極めて僅かな「お見舞金」の提示しかしなかったため、交渉での解決を打ち切り、民事訴訟を提起して法的手続きでの解決を図ることといたしました。
事故類型:自殺
相談内容
被災者は、建設会社で正社員として働いていた。労働時間は極めて多く、毎朝6時に家を出て終電で帰宅するような生活は当たり前であり、泊まり込みで労働していることもしばしばあった。実際に時間外労働(週40時間を超える労働)は、1年を通して月平均100時間は超えており、月によっては200時間近くになることもあった。
このような過酷な労働環境の下で、被災者はうつ病にかかってしまい、休職⇒復職⇒休職を行ったが、ある日、自殺してしまった。被災者が自殺した原因は、会社が加重な労働を行わせていたことにあるから、会社に損害賠償請求を行いたい。
被災者のご遺族から、以上のようなご相談をお受けしました。
弁護士アドバイス
①遺族補償給付申請のアドバイス まず、労災保険の遺族補償給付を申請することをアドバイスいたしました。
労災保険の遺族補償給付とは、業務に起因して労働者が死亡した場合に、残された遺族の生活保障のため、一定額の年金を労災保険から給付する制度です。
遺族補償給付が認められるためには、労働者の業務と死亡との間の因果関係(業務起因性)が認められる必要があります。過労死や過労自殺の場合にはこの業務起因性がよく争いとなりますが、労災保険実務上は、精神障害を発症する前6ヶ月の時間外労働が80時間(いわゆる過労死ライン)を超えている場合には、業務起因性が認められやすくなります。
本件では、明らかに過労死ラインを超えている時間外労働でしたから、遺族補償給付が認められる可能性が高かったため、申請することをアドバイスいたしました。 遺族補償給付を申請することにより、労基署が時間外労働や労働実態調査のため、会社や遺族に聴き取りや資料収集を行います。ここで、労基署が収集した資料等は、損害賠償請求における重要な証拠となります。
②保有個人情報開示請求及び簡易調査報告書のご依頼
上記①のアドバイスを行った後、ご遺族から遺族補償給付が認められた旨のご連絡を頂きました。そこで、ご遺族が会社に損害賠償請求する見通しを付けるため、労基署が遺族補償給付を審査するに当たって収集した資料などの保有個人情報開示サポート及び同開示資料に基づく損害賠償請求の見通しを報告するサービス(https://kanagawa-rousai.com/price)のご依頼をお受けすることといたしました。
保有個人情報開示の結果、タイムカード等の証拠上も、過労死ラインを優に超える労働を長期間に渡って課していることが明らかになりました。また、損害賠償額としても、1億円近くに上ることが判明いたしました。
そこで、ご遺族には、判例や裁判例の傾向に照らし、労働者に対し「業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務」(安全配慮義務違反。最判12.3.24民集54.3.1155=電通過労自殺事件)の違反を立証できる可能性が高いこと、会社に請求可能な損害賠償請求額は最大で1億円近くになることなどを、簡易調査報告書でご報告いたしました。
③会社に対する損害賠償請求交渉 ご遺族からまず損害賠償請求の交渉のご依頼をお受けいたしました。
会社には、労基署から開示した資料や判例・裁判例を丁寧に示して、安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求を行いました。
しかし、会社は、弁護士を立てた上で、安全配慮義務違反を真っ向から否定し、損害賠償を拒否してきました。 このような対応は全く不当なものでありましたので、労働審判を申立てて、法的手続きによる解決を図ることといたしました。
事故類型:その他
相談内容
電動工具を使用して鋼材を切断、研磨していた際、音が反響したことが原因で難聴の後遺障害が残存し、労働基準監督署より労災による後遺障害等級が認定されたものの、事業主が損害賠償の交渉に応じようとせず困っているとのご相談をいただきました。
弁護士アドバイス
ご自身で労災保険へ申請し、既に後遺障害等級10級が認定されていました。この等級と残存してしまった障害を検討した結果、しっかりと認定されている等級であるとお伝えしました。
労災保険から受け取ることができる補償は、労災事故によって被った損害の一部にすぎません。事業主は、民法上の安全配慮義務に基づき残りの賠償金を支払うべき義務を負っていますが、従業員を相手には交渉すら応じようとしない例が多々あります。
詳しくお話しを伺った結果、本件では、会社側に損害賠償請求できることがわかりましたので、弁護士がご本人に代わり、会社側へ損害賠償請求を行っていくことになりました。
よくある質問(Q6 後遺障害が残ったので、夫の勤務先と示談交渉をしたいです。)参照
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