転落事故で2000万円以上を獲得した事案

被害者 70代男性会社員
事案 転落事故
獲得金額 2000万円以上

 

ご相談の流れ

建設現場での転落事故の案件です。被災者の奥様より、以下のようなご相談をお受けしました。

・建設現場で勤務していた夫が、約2mの擁壁から転落して、脊髄損傷の大怪我を負った。
・建設工事の元請の会社と夫が所属する下請けの会社があり、どちらかに損害賠償請求できないか

とのことで奥様がご相談にいらっしゃいました。

ご相談後に下請けの会社とは示談し、その直後に被災者がお亡くなりなってしまったということで再度ご相談を賜り、ご依頼者様自身で遺族補償給付を請求してもらってから受任する運びとなりました。
 

サポートの流れ

まずは、保有個人情報開示請求を行い、資料を収集しました。開示された資料を検討の結果、相手方に対して損害賠償請求を行うことができると判断し、示談交渉を受任することとなりました。
※保有個人開示請求の詳細はこちらをご参照下さい。

最初は相手方に対し、約5000万円を請求しましたが、相手方は転落防止措置を講じる義務はないとのことで、損害賠償責任を否定し、少額のお見舞金を提示しますという回答でした。

保有個人情報開示により「指導票」という資料が労基署から元請会社へ送付されていたことが判明し、本件事故に関して、労基署から元請会社に対して、何らかの安全衛生上の指導がなされているということがわかっていました。

つまり、「なんらかの危険な状態があったということが、労基署の調査によりわかっている」ということだったので、相手方に責任を認めさせる可能性が十分あるということになり、裁判での解決を目指すこととなりました。
 

提訴前証拠収集手続き

文書送付嘱託(※裁判所を通じて、文書を所持している相手方、または第三者に対し、裁判所へ文書の提出を依頼すること)は、通常は訴訟を提起しないとできないことですが、訴訟提起をすることを予告することで、文書送付嘱託の手続きを行うことができます。

労基署が持っている保有個人情報で開示されなかった部分を開示させるべくこの手続きをおこなった結果、一定程度の有用な証拠を手に入れることができたので、それらを利用して、民事訴訟を提起しました。
 

民事訴訟でのポイント

擁壁は、約2mありましたが、2m未満ではありました。「2m」という高さには、重要な意味があり、労働安全衛生規則518条が


(作業床の設置等)
第五百十八条 事業者は、高さが二メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。

2 事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。


と規定しており、2m以上の作業では、特に転落に注意を要する趣旨を規定しているからです。
しかし、労働安全の標語に「1mは一命取る」という言葉があり、そこに着目しました。

擁壁が約2mの高さでありながら、通路から一歩から一歩半で擁壁から落下する位置関係にありました。暗くなった時に足元を照らす証明設備はなく、落下を防ぐ仮フェンスもはずされている状況でした。この状況は、安全配慮義務違反にあたるとして主張を行いました。

それに対し、相手方の対応は、被害者が擁壁の端に意図的に近づいたのではないかという根拠のない主張を繰り返していたため、ある程度主張立証が揃った段階で和解協議がなされました。

裁判所は、労基署から開示された資料のうち「災害調査復命書」(※事故の発生状況・発生原因など再発防止するために行われた調査結果の報告書)における「災害の原因」というところが黒塗りになっており、原因がわからないにも関わらず、抽象的に「被害者側に過失が大きい」という見解を示してきました。

しかし、その重要な部分が開示されていないかぎり、抽象的なことで過失を決めるわけにはいかないと考え、文書提出命令(※裁判所を通じて、文書を所持している相手方、または第三者に対し、強制的に裁判所へ文書の提出命令すること)を申し立てました。

災害調査復命書の文書提出義務が労基署にはあるという最高裁判例(最決平17.10.14民集59.8.2265)がある為、それに基づいた主張を行った結果、労基署側からの効果的な反論はなく、黒塗り部分が開示されることになりました。

開示されたものに基づいて、改めて主張立証を補充したところ、裁判所から具体的な和解案が提示されて、最終的な損害賠償額は2000万円以上という内容でした。
 

解決内容

過失割合は妥当と判断し、2000万円以上の金額で和解しました。
 

所感

本件は、高所から転落し、死亡してしまうという労働災害の案件でした。

労働災害の案件の中でも、こういった事故類型は比較的単純な事故類型ではあります。しかし、いざ事故に関する証拠・資料を集めようとしても、難しい法的手続きの壁が立ちはだかってきて、一般の方には適切・迅速にこれを行うことは困難です。

本件では、保有個人情報開示・提訴前収集・文書提出命令という証拠収集として考えられるものをほとんどやりつくしたことにより、裁判所の不利な過失割合の心証から押し戻すことができた案件です。

労働災害案件では、特に事故態様の情報収集を行うことが重要となりますが、これを一般の方が行うのは非常に困難だと思います。

本件のご遺族がそうであったように証拠収集の手続きを最初からお任せいただいたことで適切な解決ができたと考えています。

弊所では、保有個人情報の開示サポートというサービスもご提供しておりますので、「事故の内容を知りたい」「損害賠償の見込みがどれくらいあるか知りたい」などの疑問がある方は、ぜひこのサービスからご利用いただき、疑問を解消していただければと思います。

    

   

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