事例5
  • 電気工事に労働者として長年従事し肺がんに羅患したため労災保険申請のご依頼に至った事例

  • 職業/業務内容

    電気工事士

  • 症状

    肺がん(胸膜プラークの指摘あり)

  • 現在の状況

    治療中

  • 年齢

    80代

  • 勤務形態

    正社員

  • ばく露時期

    1960年(昭和30年)代~1990年(平成元年)代

  • ばく露年数

    約30年

  • ばく露した状況

    電気工事士として配線工事等に従事したことによって、アスベストにばく露

  • 申請をお勧めした給付金制度

    ①労災保険③建設アスベスト被害救済制度

  • ご相談者

    ご本人

①ご相談内容

被災者は、1960年代から1990年代まで電気工事士として、屋内・屋外の配線工事等を、労働者として従事していました。
その後、2016年頃より、呼吸器機能障害を発症し、経過観察をしていましたが、その後2020年頃に肺がんを発症しました。また、胸部CTを撮ったところ、医師から胸膜プラークの指摘がありました。そうした中、新聞やTVの広告よりも、当事務所のアスベスト広告が掲載された自治体の広報を見たことで、身近に感じたことをきっかけにご連絡をいただきました。

②弁護士からのアドバイス等

1.アスベスト被害者の救済制度のご説明

アスベスト被害者の方は、①労災保険、②石綿健康被害救済制度、③建設アスベスト被害救済制度が利用できる可能性があります。

詳しい制度につきましては、下記ページをご覧ください。

今回の相談者は、労働者であったため、①~③全ての制度が利用可能なことを説明し、胸膜プラークが医師から指摘されていることから認定される可能性も高いことを重ねて説明しました。しかし、①と②の制度は併用することが不可能なので、より多くの給付金を獲得できる①労災保険、③建設アスベスト被害救済制度の申請をお勧めしました。

2.アスベスト被害者の救済制度の申請の流れ

詳しい申請の流れとしては、まず①の労災保険の申請をし、認定が下りた後で、③の建設アスベスト被害救済制度を申請するという方向性を説明しました。その方が③建設アスベスト給付金申請の際に、労基署が調査した資料を利用でき、スムースであるからです。

③所感・まとめ

アスベスト被害給付金の制度は、とても複雑であり、「自分がどの制度をどの順番で利用すればよいのか」を適切に選択し、適切に申請までこぎ着くことは、一般の方には極めて難しいと思われます。しかも、申請した後にも、審査機関側から諸々の問合せや追加資料提出等を求められて、お身体が苦しい中で対応するのは、とても大変と存じます。

それにもかかわらず、取り扱っている専門家が少なく、審査機関側(労基署・環境再生保全機構・厚労省)なども、一定程度の相談には乗ってくれますが、申請を肩代わりしてくれるわけではないので、療養中の方、高齢の方が申請手続きを行うのは、とても大変です。本件は、「治療に専念しつつ、治療にかかるお金の心配を無くしたい」とのことでしたので、早速、労災保険の申請手続きのご依頼を受任することにいたしました。

アスベスト被害に関して、労災保険などの申請を考えていらっしゃる方は、アスベスト給付金申請に注力している専門家にご相談・ご依頼することをオススメ致します。